57年前に台風で吹き飛ばされ、当時の大工が張り直した15枚の天井絵。その並び方は以前とまったく同じなのか、違うのか。
「これなら合点がいく!」。今年、埼玉県熊谷市の諏訪神社の宮司が長年抱えてきた謎がようやく解けた。ものつくり大(行田市)の横山晋一教授の研究室が調べ、違っていたと分かったためだ。今月1日、台風前と同じだとみられる配置に並べ替えられた。
天井絵は拝殿にある。全15枚。ツバキと椋鳥(むくどり)、竹と虎など植物と動物を組み合わせたものや、鳳凰(ほうおう)などの霊獣を描いたものなどがある。どれも全体的に色が落ちていて白っぽくなっている。
歴史的建造物を専門とする横山教授によると、拝殿は江戸時代の1852(嘉永5)年に建立されたと考えられる。屋根や天井は1966年9月に直撃した台風で吹き飛ばされたが、天井絵は全て回収され、翌年には戻されたという。
何かが、変……
それからおよそ20年後、小柴捷子さん(78)は同神社の宮司に就任した。
台風に襲われた時に宮司を務めていた祖父からは、かつての天井絵の様子を聞いたことがなく、写真も残されていなかった。
ただ、宮司になって初めて天…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル